ダンサー向けメニューのはじまり
◆はじまり
YAGP2012日本予選の時に初めて、コンクール出場者のコンディショニング指導と障害予防セミナーを行う機会を得ました。Miracle Bodyでも、当初は、バレエ障害の治療や予防ためのセルフケアの指導を行うことががほとんどでしたが、それに加えて、パフォーマンス向上につながるコンディショニング方法や動作改善の指導を行ううちに、大きな反響を呼ぶようになりました。次第に、海外留学やプロとして階段を昇っていく子どもたちがMiracle Bodyには増えていきました。
◆今後のクラシックバレエ界に必要なもの
社会全体がデータを活用する時代です。スポーツの世界でも、感覚的にしか分からなかったことが、測定データを元にした指導方法に変わり、選手のパフォーマンスレベルが向上しています。この流れは、クラシックバレエの世界でも主流になっていくことは間違いないでしょう。例えば、非常に正解が分かりづらかった引き上げやターンアウトという動作を、ダンサー自身がその正解を確かめながら行えるようになっていくと考えています。
◆指導方法について
指導とは、必ずしも「教える」ことが必要なのではなく、子どもたち自身の気付きを促し、自分自身で課題に取り組み、解決する力を高められるように「導く」ことだと考えています。クラシックバレエには、いわゆる「型=決まったポジション」が存在し、同時に自ら踊りを形作る「創造性」が求められます。指導者に言われたから…ではなく、自分自身を理解し、コントロールすること…それこそが踊りの上達への一番の近道であり、不調になっても自分でその原因を見つけて修正出来る確実な方法なのではないでしょうか?
Miracle Bodyのトレーニングでは、子どもたち自身にまず、解剖学や運動学、運動力学といった専門的な知識を分かりやすく教え、自分の身体への一定の理解を求めます。自分の身体に実際に起こっていることを理解し、コントロールすること…年齢によって段階を踏みながら、指導者による言葉掛けだけに頼るのではなく、自らの感覚を確かめながら、ポジションや動きを形作っていけるようにトレーニングをしていきます。
◆プロダンサーを目指す子どもたちの親御さんへ
忘れてはいけない大事なことは、大好きなクラシックバレエを通じて子どもたちの人間性が育まれること…親に出来ることは、結果ばかりを求めることではなく、子どもたちが自分の課題と向き合い、取り組める人間となれるように機会を与え、環境を整えることではないでしょうか?
芸術の世界は必ずしも努力が報われない時もありますが、人間性が育まれ自立した人間となれれば、必ず自分の居場所が見つかり、通用する場所が出てくるものと信じています。Miracle Bodyでは、主役である子どもたちひとりひとりと向き合いながら、目標を達成するための課題の設定やそれに取り組むための動機付けのお手伝いをさせていただきたいと考えています。
◆バレエスタジオを主宰されている指導者の方へ
「クラシックバレエのレッスン自体が、最善・最適なコンディショニング&トレーニングである」という考えから、Miracle Bodyでは、いわゆる筋力を鍛えるトレーニングではなく、動作改善を目的とした感覚および神経の活性化を伴うトレーニング指導をメインに行っています。各スタジオにおけるメソッドを共有することで、子どもたちが混乱しないように最大限考慮しています。
有り難いことに、これらをご理解いただき、生徒さんをご紹介いただく指導者の方も多くなってきました。プロスポーツの世界では、監督やコーチ、医師、トレーナーがそれぞれの得意分野を活かしながら選手が試合でより良いパフォーマンスを発揮出来るように分業しています。クラシックバレエの世界でも、このような複数の指導者による育成体制が整備されていくことを願っています。
※現在、ダンサー向けメニュー・パーソナルトレーニングは、コンディショニング・パーソナルトレーニングと名称変更しています。